季節湯を楽しもう~面白いお風呂のはなし~
季節湯とは?
日本人のお風呂好きは有名ですが、毎月季節のものを湯船に入れて楽しむ「季節湯」があることをご存知ですか?
お風呂に入る習慣は外国にはあまりなく日本特有の文化ですが、なぜこれほどにお風呂が好きなのか・・・
それは火山が多く3,000を超える温泉地があること、社交の場として使われていたこと、さらには温泉に入ったり、飲むことで身体のキズや病気を治す「湯治」が行なわれていたことがあげられます。
湯治の始まりは平安時代に弘法大師の空海が身体のキズや疲れを癒すため、医療用の薬湯として設けたのが最初といわれています。
戦国時代にもなると武将たちは戦のキズを治療し、癒すため温泉を活用します。戦乱が終わり江戸時代になると入浴の習慣は庶民にも広がり、武士たちの間で行われていた端午の節句の「菖蒲湯」、冬至の「柚子湯」が一般的になっていきました。
毎月ある季節湯の種類
「菖蒲湯」も「柚子湯」も季節湯ですが、実は毎月あるのをご存じですか?
今回は1月から12月の季節湯を紹介します。
◇1月『松湯』
松の木は不老長寿の象徴と言われており、その松を1年の始まりである1月に季節湯として使用する事で1年も無事を祈ります。
◇2月『大根湯』
1年で1番冷え込むこの時期に、大根の葉に含まれるビタミン・ミネラルで保湿効果を高め、風邪に備えます。
◇3月『よもぎ湯』
漢方では「がいよう」と呼ばれる蓬(よもぎ)。病を止めるという意味があり、抗菌作用や冷えに効くと言われています。また血行が促進され身体が温まる事で肩こりや腰痛をやわらげてくれます。
◇4月『桜湯』
桜の樹皮は消炎効果があり湿疹や打ち身、あせもなどの肌トラブルを改善してくれます。
◇5月『菖蒲湯』
「勝負」や「尚武」にかけて子どもの丈夫な成長を願う意味としても。菖蒲湯の強い香りで邪気を遠ざけ勝負に勝つといわれています。
◇6月『どくだみ湯』
日本三大薬草のひとつで抗菌や消炎効果があり、にきびや汗疹を改善してくれます。
◇7月『桃湯』
桃の葉にはタンニンが多く含まれ、日焼け後の肌や虫さされ、あせもやしっしんに効果的です。また江戸時代には土用の日に桃湯に入る習慣があったとされています。
◇8月『薄荷湯』
ハーブの一種で「ペパーミント」と呼ばれています。体内に取り込むと身体を温めてくれる一方、入浴後の発汗は少なく汗がさっと引くので夏には最適。
◇9月『菊湯』
多年草「リュウノウギク」という種類を使い皮膚を刺激して血行を促進します。菊の香りは夏の疲れを癒すものとされおります。
◇10月『生姜湯』
辛味成分と精油成分で身体を温める効果があります。
◇11月『蜜柑湯』
みかん果皮にはリモネンという精油成分が含まれており、血行促進とクエン酸・ビタミンCも入っているので美肌効果も期待できます。
◇12月『柚子湯』
「冬至湯に入ると風邪をひきにくい」と言われているが「冬至」を「湯治」にかけていて、実際にゆずは精油成分があり血行を促進し新陳代謝を活発にしてくれます。
皆さんは何が気になりますか?私は桃湯が気になります!
お風呂好きの日本人ならではともいえる「季節湯」
ぜひ楽しんでみてはいかかでしょうか?