天然の界面活性剤もある?
むかし石けんがなかった頃は、
灰汁(あく)やムクロジの実、サイカチのサヤなどを用いていました。
洗浄力の足りない分は手足などの物理直に頼っていました。
灰汁はアルカリ性ですから、アブラをポロポロにします。
ムクロジの実やサイカチのサヤには『サポニン』という天然の界面活性剤が含まれており、
泡立ちもあるため手でもむと石けんの代わりになります。
豆の中にも
また、豆の中には『レシチン』という海面活性作用を持つ物質があり、
豆類の粉や煮汁も洗顔用や洗髪用として用いられていました。
ちなみに大豆からとった『レシチン』は、マーガリンやチョコレート、味噌、しょう油、
さらにはうどんやマカロニにいたるまで、様々なものに乳化剤として使われています。
卵にも同じような作用がある
サラダ油とお酢を混ぜたフレンチドレッシングは通常分離してしまいますが、
サラダ油とお酢に卵黄を混ぜたマヨネーズはなぜか分離しません。
これは卵黄の中の『レシチン』が乳化剤となって、
混じりあった状態を安定させているからです。
また油脂からつくった脂肪酸系の界面活性剤は、やはり食品添加物として認められていて
アイスクリームやケーキなどにも乳化剤として使われています。
もちろん化粧品にも乳化剤は使われていて、
ファンデーションではクリームの中に粉末の顔料を分散乳化しており、
口紅は油脂の中に粉末の顔料を分散させ溶け込ませているのです。